大切なフチ作り


フチ作り・・。“ゆのみ”“カップ”“碗”などのふちのことです。

ロクロ水挽きで湯飲みなどを作るとき、フチの上端を人差し指で押さえながら挽きあげますね。(あばれないように)。
粘土を立ち上がりから一定の厚みで上手に引き上げ、そのままフチまで持ってくることが 出来るでしょうか?
ティーポット・カット

それが出来ると外から見るラインもスッキリとします。
もし底部から腰にかけて粘土が残っているなら、外形の ラインもスッキリしない筈です。カンナで削り落とすなど、妥協はいけません!
カット・鉢

さて、一定の厚みで挽きあげる粘土をフチの 下1.5pぐらいからすこし厚みを残して置きます。
そしてその部分を、 人差し指の側面を上手に使って、なめらかに仕上げる。
こうして出来た“ゆのみ”は、上から見たときに、 あからさまに内部が見えるのではなく、内に拡がる空間を感じることが出来る。
受け、湛え、包む、うつわの機能が感じられる。
また、こうする事によって、たとえば、コーヒー・カップの把手が、 本焼き焼成時にフチを歪ませるのをふせぐ効果も多少期待できます。
カット・壺

しかし、こうしない方が良い場合も勿論あります。 たとえば、ソバ猪口など。
この場合は開けっぴろげの方が、涼しげで良い。


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